米国株投資が断然に優位!僕が軍用地投資に魅力を感じない7つの理由。

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FP2級保有のコアラ太郎(@koala_taro)です。
トクする情報、タメになる情報を発信して「自由な働き方」を目指しています。

最近は、沖縄県外や海外の投資家からも沖縄での軍用地投資をする方が増えてきています。

中には、物件を見ずに電話だけで契約する投資家もいるほど。

友人からも「軍用地投資に興味あるけど、どう思う?」等の相談を受けることがありますが、個人的には現金をたくさん持った富裕層以外の一般人には、全くオススメできないと思っています。

僕が、軍用地投資に魅力を感じない7つの理由を記事にしました。

  1. 利回りは米国株とあまり変わらない
  2. 借地料の上昇が米国株の増配率に劣る
  3. 軍用地は割高、米国株は相対的に割安
  4. 軍用地投資は大金が必要、米国株は少額から始められる
  5. 初期費用、維持費は、米国株の方が圧倒的に安い
  6. 流動性、現金化ともに米国株が有利
  7. 米国株はスマホで簡単に購入できる

今、話題の軍用地投資とは?

軍用地投資とは、現在アメリカ軍や自衛隊が利用している土地を購入して、日本政府(防衛省)から借地料をもらう不動産投資です。

ご存知かとは思いますが、沖縄にはたくさんの軍用地が点在しています。

全国の米軍専用施設面積の約70.6%が 集中しており、沖縄県の総面積の約8%を米軍基地が占めています。

このように沖縄県に軍用地がたくさんある為、沖縄では、一部の投資家から軍用地投資が盛んな理由です。

確かに、沖縄では昔から、知り合いや友達の親族の中に「軍用地を持っているからお金には余裕がある。」っという年配の方が、いらっしゃいます。

しかし、それは多くの場合、先祖代々から続く軍用地の相続の結果、軍用地を保有して軍用地賃料が”チャリンチャリン”っと不労収入になっているケースがあります。

相続の結果、軍用地を保有した訳ではなく、軍用地投資をして成功している人は、あまり聞いたことがありません。

軍用地投資について、昔興味を持っていた時期もありましたが、改めて勉強をしようと思い、こちらの本を購入して読んで見ました。

本を読んで、良い点もありましたが、米国株投資家として読んでいて、「ん?普通に米国株に投資した方がよくないかな?」っと思いましたので、記事としてまとめました。軍用地投資を検討している人に参考になれば幸いです。

軍用地投資に興味がある方は、一度読む価値はある本かと思います。

軍用地投資の利回り約2%、米国株(S&P500)の配当利回りも約2%

最近は、様々なテレビなどで、沖縄の軍用地投資が取り上げられた結果、人気が高まり利回りが低下しています。

今では、軍用地借地料の利回りは約2%前後のようです。

銀行預金の利率よりは良いが、投資として魅力がある利回りかというと、個人的には魅力的ではありません。

それに対し、米国株(S&P500)の配当利回りも直近では1.88%で、ほぼ同等。

※S&P500とは、アメリカの時価総額が大きい選ばれた500社のこと。
S&P500に連動する株(ETF)を購入すれば、アメリカの500社の株に丸ごと投資している意味になります。

下図は、過去の配当利回りの推移です。

出典:S&P 500 Dividend Yield

軍用地借地料は毎年1.5%増える。米国株の配当金は毎年6%増える。

軍用地借地料は、基本的に毎年上昇を続けており、1972年以降の平均上昇率は約5%ですが、ここ最近の上昇率はわずか年率1.5%程度です。(毎年のもらえる借地料が1.5%ずつ増えると言う意味)

1972年頃から軍用地を保有し続けている人は、複利で相当な賃料を得ていると思われますが、それはごく一部の人だけだと思います。(沖縄に住んでいますが身近な人には、そんな人はいません。)

その一方で、米国株投資(S&P500)の配当金の増える率=増配率(上昇率)は過去の約30年間で、平均6.77%です。
(直近は9.98%)

下図は、過去約30年間の増配率の推移です。

出展:S&P 500 Dividend Growth

また、米国株(S&P500のインデックスファンド)を1957年に購入した人の累積リターン(配当再投資)は、2003年までの46年間で、年率11.19%です。

それは46年間で、資産が約130倍に増えたということです。(下の図を参照)

わかりやすく例えると、1957年に投資した米国株(S&P500のインデックスファンド)100万円が、2003年までに1億3,000万円に増えたということです。
※上のの図では、1,000ドルが130,768ドルの130倍に増えている図です。

引用:「株式投資の未来」 146ページ 著者:ジェレミー・シーゲル

シーゲル先生によると、株式の平均リターンは、どの時期でも一貫して年率6.5%〜7%のレンジで実質トータルリターン(インフレ調整後)を維持しているとのこと。
※過去がそうであっても、未来もこのパフォーマンスを保証するものでは無いことに注意!

下記の図では、1801年に株に投資した1ドルが、200年後の2001年に597,485ドルの約60万倍に増えた事を意味しています。

引用:「株式投資の未来」 195ページ 著者:ジェレミー・シーゲル

軍用地料が毎年値上がりし続けていると言う点は、米国株と似ており、米国株も多くの銘柄が”毎年“配当金を増やし続けています。

いわゆる、「連続増配銘柄」です。

主な連続増配銘柄

  • P&G:62年間増配
    (ファブリーズで有名)
  • スリーエム:61年間増配
    (ポストイットカードで有名)
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン:56年間増配(バンドエイドで有名)
  • コカ・コーラ:56年間増配
    (コカ・コーラで有名)
  • コルゲート・パルモリーブ:56年間増配(歯磨き粉で有名)
  • ホーメル・フーズ:52年間増配
    (SPAM缶で有名)
  • アルトリア・グループ49年間増配
    (たばこのマルボロで有名)
  • ペプシコ:46年間増配
    (ペプシコーラで有名)
  • ウォルマート:46年間増配
    (世界最大のスーパー)
  • マクドナルド:43年間増配
    (ハンバーガーで有名)
  • アフラック:36年間増配
    (医療保険で有名)
  • エクソン・モービル:36年間増配
    (石油で有名)
  • AT&T:35年間増配
    (世界最大の通信会社)

このように、毎年配当金を増やし続けている会社(連続増配銘柄)は、日本人でも聞いたことある企業ばかりです。

上記の、連続増配をしている企業は、先ほどからお伝えしているS&P500の中に含まれている会社です。

そのため、S&P500に投資をすれば、基本的に増配の恩恵を受けることができます。

毎月僕が公表している、米国株からの配当金の記事も参考にどうぞ。

【毎月更新】米国株の運用実績公開!配当金生活でFIREを目指そうよ。

2021.07.22

軍用地投資はPER60倍(倍率60倍)、米国株はPER15倍

軍用地投資には、投資の割高、割安を見極める上で「倍率」という独特な言葉があります。

軍用地の価格は、年間借地料と倍率との掛け算によって、土地の価格が決まります。
(土地の価格=年間借地料×倍率)

「倍率」は、株の世界で言うならPERと同等の意味で、PERも割安、割高を測る指標です。

「倍率」や「PER」は、数字が大きければ割高、数字が小さければ割安だということです。

  • 倍率=軍用地価格÷年間借地料
  • PER=株価÷1株利益(EPS)

例えば、年間借地料が100万円で、倍率50倍の場合、その土地の価格は5,000万円になります。

倍率50倍とは、わかりやすく言えば、50年でモトが取れるという意味です。(利回り=2%)

近年の軍用地投資の加熱により、軍用地投資は非常に割高になっており、倍率が50倍〜65倍の軍用地も多いです。

仮に、倍率が65倍ということは、利回りは、わずか1.5%程度しかないことになります。

数年前までは倍率45倍前後の軍用地も多かったのですが、どんどん軍用地の価格が値上がりしている割には、借地料がそこまで増えていないため、割高になっています。

それに比べて、米国株(S&P500)の過去200年の平均PERは約15倍です。
(直近は22.25倍)

下の図は、米国株(S&P500)のPERの推移です。

出展:S&P 500 PE Ratio

軍用地のPER60倍>米国株のPER22倍→米国株が割安

軍用地投資は多額の現金が必要、米国株は少額から買える。

軍用地投資は、ローンを組むのではなく、基本的には現金で土地を購入する方が有利です。

軍用地ローンを組むことも可能ですが、軍用地投資自体が利回りが低いため、軍用地ローンを組んだとしても返済額と借地料のバランスで投資の旨味はほとんどなくなってしまいます。

昔、軍用地を仲介している有名な不動産屋さんに電話で「フルローンで軍用地を買いたい!」と問い合わせをしたら説教されたことがあります。笑

最近、君みたいなテレビを見た人が、ローン組んで軍用地が簡単に買えると思って問い合わせが増えてきていて、正直対応するのが大変なんだ!

軍用地投資が、フルローン組んでできる投資なら、皆んなやってるわ!そんな甘い世界では無いぞ!

多くの現金を持っている人が、銀行預金よりも利率が良いということで投資するような商品なんだぞ!

というぐらい、一般的な不動産投資では最大の魅力であるローンを組んでレバレッジを効かした投資が、軍用地投資ではあまり旨味がでません。

ということは、軍用地を購入するには、株の購入と同じく、現金を使って購入することになります。

すなわち、軍用地投資には、数百万円〜数千万円の現金を用意する必要があるということです。
(一部、軍用地ローンも可能ではある。)

多く出回っている軍用地の価格帯は、1,000万円台とのことです。

それに対して、米国株は超有名な大手企業の株を、5千円程度から購入することができます。

例えば、「AT&T」という会社の株は、
1株4千円以下で購入できます。(日本でいうドコモのような通信会社)

ちなみに、AT&Tの配当利回りは約6%もあります。

みんなが大好きなスタバの株も1株1万円以内で購入できます。

しかも、嬉しいことに米国株は配当金が3ヶ月に1回、年に4回入金されます。

入金された配当金を使って、さらに株を追加購入ができます。

これを「配当再投資」と言います。

配当再投資をすることにより、雪だるま式に複利で資産が増えていきます。

軍用地投資の場合、安い軍用地でも300万円以上で、大半は1,000万円以上の価格です。

これだけの現金が必要でありながら、軍用地借地料は、年に1回しか振り込まれません。

株の配当再投資のように、「借地料再投資」をして毎年新たな土地を追加で買うことは、現実的に厳しいです。

ちなみに、米国株を始めるには手数料が安い以下の主要ネット証券会社がオススメです。

  1. マネックス証券
    (コアラ太郎が米国株投資で利用中)
  2. SBI証券
    (コアラ太郎が日本株の株主優待投資で利用中)
  3. 楽天証券
    (コアラ太郎が投資信託の積立で利用中)

軍用地投資は多くの費用が発生、米国株投資の費用はわずかだけ。

軍用地投資は、基本的には普通の不動産投資と同じです。

僕もこれまでに不動産を2件購入したことがありますが、不動産投資には多くの費用や税金が発生してしまいます。

軍用地を購入する際に発生する費用は、

  • 不動産業者に支払う仲介手数料
  • 印紙代
  • 司法書士費用
  • 登録免許税
  • 不動産取得税

上記の購入時の費用を合計すると、物件価格の7%程度が必要になります。

上記の費用は、購入時に発生する費用ですが、軍用地を保有中は毎年、固定資産税も支払う必要があります。

それに対して、米国株(S&P500)を投資するのにかかる費用は、以下の3つだけ。

  1. 円をドルに両替する費用
    (1ドルにつき25銭)
  2. 購入する株の代金に対する手数料0.45%(税抜)
  3. 保有する株(ETF )に対する毎年の手数料
    0.03%

とにかく、米国株に投資するには、パソコンやスマホがあればどこでも購入できます。

もちろん、証券会社に口座開設をする必要がありますが、手数料は一切かかりません。

マネックス証券 SBI証券 楽天証券
取引手数料 約定代金の
0.45%
約定代金の
0.45%
約定代金の
0.45%
最低手数料 無料 無料 無料
最大手数料 20ドル 20ドル  20ドル

①円をドルに両替する費用(1ドルにつき25銭)

仮に100万円を米国株に投資するとした場合、円をドルに変える手数料は2,500円かかります。(1ドルにつき25銭)
※1ドル100円と仮定した場合。

しかし、住信SBIネット銀行とSBI証券を連動することで両替手数料を1ドルにつき4銭に抑える方法や、マネックス証券で両替手数料0円キャンペーンを利用することもできます。

②購入する株の代金に対する手数料0.45%(税抜)

主要ネット証券会社の設定している米国株の購入手数料は0.45%(税抜)です。

しかし、手数料の上限は最大20ドルなので、100万円の株(ETF )を購入する場合、上限の約2,000円になります。
(※1ドル100円と仮定した場合。)

2019年7月から、これまで5ドルだった購入時の最低手数料を各社が無料にし、手数料の低減化が進んでいます。

さらに、NISA口座を活用して、米国株や外国株ETFの売買をすれば、購入手数料がキャッシュバックされ実質0円のネット証券会社がほとんどす。

  マネックス証券 SBI証券 楽天証券
外国株の
買付手数料
実質無料 約定代金の
0.45%
約定代金の
0.45%
海外ETFの
買付手数料
実質無料 実質無料 実質無料

③毎年保有する株(ETF )に対する手数料0.03%

実際に、米国株(S&P500)を買うには、”S&P500に連動する株(ETF)“を購入する必要があります。

S&P500とは、アメリカの時価総額が大きい選ばれた500社のことで、S&P500に連動する株(ETF)を購入すれば、米国の500社の株を丸ごと購入できる意味になります。

S&P500に連動する株(ETF)とは、具体的には以下の商品になります。

  1. VOO:信託報酬(手数料)0.03%
  2. IVV:信託報酬(手数料)0.04%
  3. SPY:信託報酬(手数料)0.09%

「VOO」という商品であれば100万円投資をした場合、毎年発生する手数料(信託報酬)は、わずか300円で済みます。

以下の主要ネット証券であれば、どこでもVOOは購入できますし、NISA口座を活用すれば購入時の手数料は実質無料です。

  1. マネックス証券
  2. SBI証券
  3. 楽天証券

以上の3点をまとめると、
100万円をS&P500に連動する株(ETF)に投資した場合の”購入時“の手数料合計は、
0円〜4,500円程度で合計0.45%。

米国株(ETF)を保有中に発生する手数料が、毎年わずか300円。

いかに、米国株投資の手数料が安いかが分かるかと思います。

軍用地投資は現金化までに最短2週間、米国株なら最短3営業日目に現金化

軍用地の売買は、基本的に普通の不動産売買と同じですので、軍用地を売りたくても、買いたい人がいないと売却できません。

とはいえ、軍用地投資は非常に人気が高いので、普通の不動産とは異なり、買い手が常に売り物件を待ち伏せしている状況なので、すぐに売却が可能です。

それでも売買成立までに1週間程度かかり、現金化するには”最短”で2週間程度かかるようです。

一方で、米国株は世界中で取引されているので、基本的には売りたいと思えば、すぐにスマホからワンクリックで売却できます。

米国株は、最短で3営業日目には現金化することができます。(月曜日に売却したら、水曜日に現金化され口座に振り込まれる)

そもそも軍用地を購入するには、競争率が高くハードルが高い

軍用地投資は、様々なメディアなどで取り上げられて、非常に人気が高くなってしまい、全国各地の投資家や資産家が購入を狙っています。

最近では、海外から購入する人も増えてきています。

なかには、沖縄県外に住む方が現地を見ずに、電話だけで購入する人もいるそうです。

このような状況なので、一般人が簡単に優良軍用地を購入することは、非常にハードルが高いです。

本気で軍用地を購入したいのであれば、常に様々な不動産屋さんに直接訪問して、良好な関係を築く必要があります。

売り物件が出たら、すぐに紹介してもらうような関係の構築がポイントになります。

それに対して、米国株への投資は、家にいながらPCやスマホがあれば簡単に購入できます。

誰とも関係を構築する必要はありません。

株に関する情報も世界中に開かれて配信されているので、情報格差が無く平等です。

軍用地投資のメリットは、現金が豊富な資産家の相続税対策

軍用地投資は、基本的に一般人向けの投資ではなく、富裕層向けの相続対策に向いている投資として考える必要があります。

僕が、かつて軍用地売買の不動産屋さんに電話で説教されたように、軍用地投資は現金を豊富に持っており、銀行預金の利率では満足できない方が、安定的な投資先として選択する商品だと思います。

そして、軍用地投資の最大の魅力は、相続税評価額が低くなり相続税対策になる。というポイントにつきます。

例えば、現金1億円を保有し法定相続人が2人いた場合、基礎控除は3,000万円+600万円×2人=4,200万円

1億円−4,200万円=5,800万円が課税対象となります。

課税額が5,000万円以上、1億円以下の場合、税率が30%なので5,800万円×30%=1,740万円

現金1億円を相続した場合、最終的に1,740万円の相続税が発生してしまいます。

軍用地投資の場合、相続財産評価額が民間地よりも低いのに加えて、評価額から40%減らした額が、相続財産評価額になります。

1億円の現金で1億円の軍用地を購入して保有している場合だと、相続税を一切発生させなくて済むことになります。
(複雑な計算なので省略します。)

また、国に直接軍用地を売却すれば、譲渡所得が5,000万円まで控除されという強力な制度もあります。
(その場合、国からの振込みまで2年以上時間がかかってしまうデメリットがあります。)

まとめ:軍用地投資と米国株投資(S&P500)を表で比較

軍用地投資 米国株投資(S&P500)
必要な
現金
 数百万〜
数千万円
 1株3万円以内
利回り  約2%  約2%
増配率  直近10年:
約1.5%
直近10年:
約6.5%
割安度(PER)  50倍〜60倍  15倍〜22倍
費用  購入費用大
維持費用大
 購入費用少
維持費用少
手軽さ  ハードルが高い  スマホで簡単に
購入可
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