トクする情報、タメになる情報を発信して「自由な働き方」を目指しているコアラ太郎(@koala_taro)です。
先日、ドイツ人、メキシコ人とおしゃべりをしていて日本の働き方について議論をしました。
そこで、僕がふと思ったのが、「皆勤賞」という制度が、日本人の働き方(休まないことが美徳)に繋がっていないか?という仮説に至りました。
学校教育の「皆勤賞」の発想が、仕事を休めない大人を産み出していないか?
小学校、中学校、高校などで多くの学校で、1日も学校を休まなかった賞(皆勤賞)の制度がありませんでしたでしょうか?
僕も実際に目指していましたし、皆勤賞を取ると推薦入試や受験の時に有利などいわれていませんでしたでしょうか。
もしかしたら、幼い頃の皆勤賞の発想が、大人になって社会に出た時に、”会社を休んではいけない”という発想に少なからず影響しているのでは?と考えます。
メキシコ人とドイツ人の友人と日本人の働き方について議論をしている時に、「皆勤賞」の話しで盛り上がりました。
彼らに「皆勤賞」の制度はあるかどうかを尋ねたら、「メキシコでもドイツでも聞いたことない。」とのことでした。
※地域によっては存在している可能性はあるが。
働き方改革が進んでいるドイツでは、多くの場合、「体調が悪い時は会社を休みなさい。」と上司が言ってくれるそうです。
「周りの人に迷惑をかけるから。」という理由で。
日本では、多くの場合、「体調が悪い時でも会社に出社しなさい。」と上司が言ってくる、もしくはそういう職場の雰囲気になっていると思います。
「周りの人に迷惑をかけるから。」という理由で。
両者とも同じ理由ですが、まったく意味が異なります。
ドイツでは、「無理をしないで!ゆっくり休みなさい!」、「周りの健康な人まで風邪がうつるかもしれないし。」という「周りの人に迷惑をかけるから。」という理由です。
一方の日本では、「無理をして出勤するのが普通だろ!」、「あなたの仕事を周りの社員が分担しないといけなくなるでしょ。」という「周りの人に迷惑をかけるから。」という理由だと思います。
日本でも、皆勤賞の制度を廃止する学校も少しずつ出てきているようです。
廃止の理由は、インフルエンザなどの疑いがあるのに、皆勤賞目当てで無理して学校に登校し、他の生徒にインフルを拡散するようなこともあり得るからでしょう。
思いきって学校教育で、休まないことを讃える賞を廃止することが良いのではないかと思います。
日本の学校で教え込まれた「休まない美徳」が、無意識のうちに大人になっても脳裏に残った結果、仕事を休めないでいるのではないでしょうか。
とにかく、ドイツの人と働き方について話しをすると、非常に盛り上がります。
そこで、ドイツと日本の働き方の差をデータで見てみましょう。
ドイツは労働生産性が日本に比べて効率的。
2017年の日本の時間当たり労働生産性
(購買力平価 (PPP)換算)。
- 日本の時間当たり労働生産性は 47.5 ドルで、OECD 加盟 36 カ国中 20 位。
- ドイツの時間当たり労働生産性は 69.8 ドルで、OECD 加盟 36 カ国中 7位。
2017年の就業者1人当たりでみた日本の労働生産性
(購買力平価(PPP)換算)。
- 日本の 1 人当たり労働生産性は、84,027ドル。OECD 加盟 36 カ国中 21 位。
- ドイツの 1 人当たり労働生産性は、100.940ドル。OECD 加盟 36 カ国中 13位。
出所:公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2018」
簡単にいうと、ドイツは日本よりも少ない労働時間で効率よくお金を稼いでいるということです。
有給取得率もドイツと日本では圧倒的な差が….
世界的な大手旅行サイトExpedia(エクスペディア)が毎年行っている「有給休暇国際比較調査2018」によると、
- 日本は、有給取得率50%の年間10日/20日
- ドイツは、有給取得率100%の年間30日/30日
有給もしっかり取りつつ、短い労働時間で日本より効率的にお金を稼ぐということですね。
また、恐ろしいことに日本人は、有給休暇を取得するするのに罪悪感を感じる割合が1位となっております。
やはり、幼い頃から「休むことは悪いことではない!」という考えを植え付けるために「皆勤賞」の制度は廃止すべきだと考えます。
”休まない美徳”という日本的な発想を変えることが、今後の働き方改革、休み方改革に繋がると思います。
日本は、もっと気軽に休める社会に変わるタイミングにきていると思います。目指せ「働き方改革」、「休み方改革」